在宅医療について

在宅医療とは

在宅医療

在宅医療とは、通院困難な患者さんが、住み慣れた家や施設で、愛するご家族・信頼できる施設スタッフの助け・見守り・支えを受けながら、最後の最後まで自分らしく生き抜くことを叶える医療のことをいいます。

診療チーム(医師、看護師)に加え、

・訪問看護

・訪問リハビリ

・訪問介護(ヘルパー)

・訪問歯科

・訪問薬剤

・訪問入浴

・在宅酸素メーカー

・福祉用具メーカー

・介護支援専門員(ケアマネージャー)

・相談支援専門員

など、多職種によるチームワークが必要になります。


在宅医療の対象となる方

在宅医療

在宅医療の対象となる方は、
病院やクリニックへの通院が困難な患者さんです。 

  • 寝たきり 
  • 自立歩行ができない 
  • 1人で通院できない 


年齢、性別、病気の種類は問いません。 詳しくは、お気軽にご相談ください。



在宅医療の歴史

みなさんもご存知のように、ずいぶん昔から患者さん・ご家族からの求めに応じて医師が診察に出向くことはありました。しかし、これは急病に対しての一時的な対応のみ。医療を行うところは医療機関(病院、診療所)に限定されていたのです。

転機になったのは、1992年の医療法第2次改正。ついに在宅医療が法的に認められました。さらに、2006年には在宅療養支援診療所が制度化。今では、在宅医療は外来医療・入院医療に並ぶ「第3の医療」と言われるほどに全国各地に広がっています。


在宅医療における救急医療と緩和ケア

救急医療といえば、急を要する重症のケガ・病気を扱うイメージではないでしょうか。私も救急医の頃は、そのような患者さんの治療に数多く関わってきました。

しかし、在宅医療では、緊急性や重症度に関わらず、患者さん・ご家族が「救ってほしい」「急いで来てほしい」と訴えるものは、すべて救急医療。たとえ小さな症状であっても、できるだけ早く対応していきます。

緩和ケアも同じ。世界保健機関(WHO)の定義では、「生命を脅かす病気」の苦痛を和らげることが緩和ケアとなっていますが、軽症の病気でも苦痛を和らげることは緩和ケアになると考えています。


訪問診療と往診の違い

訪問診療とは、あらかじめ計画的に予定した診療のことで、以下の5つの条件を満たすことが必要です。

1)通院困難な患者さんであること

2)患者さん(ご家族)の同意があること

3)計画的な医学管理をすること

4)定期的な診療

5)家や施設へ訪問しての診療


これに対して、往診とは、訪問診療を契約している患者さんに急病が起きた場合に、患者さん・ご家族、施設スタッフからの求めに応じて、そのつど家や施設へ訪問して診療することです。